こんにちは、
うめぴぃゴーゴー(@umephy55DC)です。
通販広告ではサンプルプレゼントと電話番号が大きく書かれています。
効果を実感していただきリピーターを増やす事が目的で、掲載された日はオペレーター増員対応して
広告の反応を見ます。広告効果が思わしくない時期に依頼を受けて作った仕事です。
2005年の仕事
血圧が高めの方に向けた新聞広告
血圧が高めの方のサプリメント広告です。
新聞広告の反応が弱いとの事で制作依頼を受けました。
商品のサンプル希望者を増やす事が目的です。
当時は血圧とは縁が遠く、血圧が高い方の話を聞いてもあまりピンときませんでした。
これまでの広告は記事広告がメインで下部分の5段広告にお試し商品の告知をされていました。
記事内では、体験者の話や開発者の声などが編集されています。
血圧で悩まれている人が読むと参考になるのかもしれませんが、
じっくり読むには文字数が多く疲れてしまいます。
それでも自分が血圧が高い場合にどのような行動を取るのかを考えてみました。
表現を考える上で現場を歩く
家電店の中で血圧計を展示しているフロアにいってみました。
すると年配の男性が案外多く訪れていました。
やはり血圧が気になる方が多いのですね。
沢山の種類の血圧計があり、細かく詳細を確認しながらどれを買うか悩まれていました。
高血圧で悩まれている人は、誰よりも勉強して血圧の事に詳しいですよね。
今(2022年)なら違ったアプローチをしているかもしれませんが、
当時の原稿は開発者の話や比較図が細々と書かれている新聞広告です。
もっと商品特性だけをわかりやすく作れないか?
対象者以外にもスーっと理解できて
「この商品良さそう」と家族の中で話題にできる見せ方はないか?
新聞は家族が見る媒体でもある。身内も理解しやすくなると認知の幅も広がるのでは?
広告の効果が思わしくないという事なので、少し視点を変えて構成するのはどうか?
考えている時に「ふと」思いついたのが血圧という文字を超大きく入れる事でした。
何の広告かをインパクト強く打ち出して
紙面を止める効果を狙いたかったのです。
視覚のみに訴えるため能動的に広告に接するという媒体特性を活かした表現方法です。
本文も難しく説明せず、大きな文字で分かりやすく語るようにしました。
商品はやさしく暖かみのある手の平に乗せて、これも大きく扱いました。
大きな文字とやさしいビジュアルの構成です。
極めてオーソドックスな案ではあります。
興味の無い広告は見る事が少ないです。
全面広告でも記憶に残らない方もいると思います。
今回の提案では、とにかく消費者の記憶に残る原稿を心がけてみました。
血圧が高めではない方も確実に見たと言える広告を目指します。
文字はこれまでに新聞広告で掲載した事のない大きさにこだわりました。
何度も言いますが極めてオーソドックスです。
デザインに少し工夫をしただけの原稿です。
新聞審査
原稿が完成すると新聞社の審査を受けます。
すると意外な審査結果が帰ってきました。
このままでは掲載できません。
文字が大きすぎるので審査でNGという事です。
この原稿では新聞広告に掲載できないという判断になりました。
文言などは問題なかったのですが、
血圧の文字の大きさが挑発的すぎるとの判断。
血圧が高い人は困っている人が多いのでしっかり届けたい。
それだけなんですけどね。
ということでキャッチコピーの大きさを調整して審査校了をいただきます。
血圧新聞広告の最終原稿
キャッチコピーを1行にして文字を小さくします。
本来目指していた原稿よりも普通になってしまいましたがインパクトはあります。
女性の手は社内の女性に協力願って数人の手を撮影したのですが、なぜかしっくり来ません。見た目は綺麗なのに、撮影すると指が細いため軟弱に見えてしまいます。
しっかりした手の方が優しい雰囲気が出るんですよね。
自分のこだわりだけかもしれないですが(>o<)
結局、自分が市販のデジカメでラフ用に撮影した妻の手で行くことにしました。
インパクトはありますが、手が温かいイメージなので、やさしい広告に仕上がりました。
こちらで掲載する事になりました。
いつも通りで掲載日に電話対応のためにオペレーターを増やされます。
新聞広告の反応
なんと、この原稿がとんでもない反響でした。
電話が鳴り続けたという嬉しい結果になりました。
これまでは反応が悪く毎回広告を作り直すという状況だったのですが、今回の広告は長期的に継続して使うことになりました。
ちょっとした工夫をするだけでしっかり認知できる良い結果が出ました。
読者目線で考えたことも良かったのだと思われます。媒体特性を活かしながら、今までの告知内容は変えずに構成方法をアレンジすると効果が上がりました。
言葉も固い話はせず、やさしく語る文章は読みやすかったのではないでしょうか(^ ^)
袋タイプも告知したいという事で同じイメージで違うパターンも制作しました。
血糖値の広告も作らせていただきました。
表現のアイデアではなく、視点を変える事で効果を狙った例でした。
現場の観察や声を聞くことによる、違う目線で捉えるという事は大事ですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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