こんにちは、
うめぴぃゴーゴー(@umephy55DC)です。
はじめて作ったお酒の広告は山田錦です。
最初から携わったのではなく結構キズついた状態の原稿からバトンタッチされました。
(2009年作品)
初めての日本酒広告は山田錦
営業が外部の制作会社と直接組んで1年間提案を続けていましたが決定に至らず数回の提案・撮影を含めて総予算から相当の金額を使っていました。
雑誌広告をするという事は決まっているのですが原稿が決定していないため違う商品に差し替えて雑誌広告の出稿をしているという状態です。どうにもならずに、ぐじゃぐじゃの状態で降られてきました。
制作会社は当然同じ会社で進めることになります。
予算も残っている金額で仕切らないといけません。
予算とはクライアントから聞いた上限金額になります。
決定していないため請求は出来ていませんが作業費や撮影費でかかった金額を先に制作会社に支払っているため、請求できる金額の残りで作業する必要があるというリスク付き案件でした。
王道の日本酒広告を提案しているが‥‥
これまでのラフを見せてもらうと王道感のある広告を提案されていました。
悪くはないのに、なぜ決まらないのかと聞いても営業は「よくわからない」と言います。
クライアントと打合せした上でラフを作り提案しているとの事。
さらにカメラマンを手配して商品の見せ方を変えて撮影し、完成度の高い提案もされたようです。
しかし、採用していただけないという状況らしい。お酒メーカーの営業が量販店に向けてイメージの向上をしていかないとアピールしにくいと言うのが理由らしい。
カメラマン代やカンプ提案費の支払いで幾らかの金額を使ってしまったとか。
クライアントの要望通りの原稿には仕上がっているが表現の印象度が弱いということかもしれません。
営業が整理せずにクライアントの要望を鵜呑みにして同じことを繰り返しているという悪循環になっている可能性は高いと思いますが‥。
飲み比べからはじめる
最初に行ったのは各メーカーが出す「山田錦」の飲み比べでした。
競合になる大手メーカの商品をすべて飲み比べました。
味わいの違いを知りたいという事とクライアント提案時にお酒の検証をした環境を作ってプレゼンに望みたいという思いがありました。
山田錦100%でも酒造会社によって、まったく味が違うのですね。
クライアントの山田錦はどちらかというと甘口で飲みやすくフルーティな味わいを感じました。
日本酒が苦手な方でも好まれるのではないでしょうか。
わかりやすく言うと白ワインのようなテイストです。
店頭で目を引く広告に
新聞広告の作りや王道では他のメーカとの差別化ができないな〜(メインの棚に置いてもらえない等)と思い王道感は出しながら、ビールの広告に近いイメージは出来ないかと思いました。
店頭では日本酒のポスターが沢山貼られる訳なので、差別化と良い違和感を出したい。これから日本酒をたしなむ若者にも目を向けてほしいという意図を含めて考案する事にしました。
フルーティで飲みやすい山田錦も心の中で意識。
基本はビジュアルを少しカジュアルに修正することにしました。
コピーは
その米、特別
その味、格別
いいコピーがあります。
どこの山田錦でも使えるコピーと思われるため
クライアント名を入れて
その米、特別。
その味、格別。
白鶴、山田錦。
と変更を願いました。
カンプは3種類。雑なカンプですみません。
本当はもう少し提案しているのですが
一部をお見せします。
2種類の広告を制作
1年間は何だったのか?というくらいあっさり決定したのですが背景を黒と白の2種類作りたいと言われました。媒体(雑誌など)がハードとソフトに分かれるためビジュアルトーンとコピーを変えたいというクライアントの要望です。
考え方は違いますが提案の中で背景が黒と白のビジュアルがあるのを見て、媒体によって分けたいという考えに至ったようです。
読む目的(雑誌の種類)に合わせて2種類の広告を作り好感度を高める役割を作ります。
ここでよくある問題が浮上するのですが、営業はコピー追加と背景を黒と白に変えるくらいなら同予算で出来ると思っています。
撮影ではライティングを変える作業がある事や性能や飲み口のコピーでも、取材をしてしっかり言葉をつくる必要があることや、画像レタッチなどの費用も倍かかってきます。予算トータルが倍になるとは言いませんが2種類作るのだからそれなりに金額が増えてくるのは当然です。
今後の事もあるため、予算が増える理由(考えたら分かる事なのですが‥‥)をしっかり説明して最終クライアント交渉に望みます。
何とか少しは利益を上げながら仕切れる金額にはなりました(T-T)。
酒器と商品のバランス
酒器は丹波まで直接に購入にいきました。
7種類の酒器をクライアントに確認願いながら背景とのバランスを見て選びます。
4種類の酒器を並べて画像確認も行い細かく詰めていきます。
白背景の場合は酒器が主張するため、黒背景のみ酒器を採用しました。
稲穂はクライアントに手配して頂きました。
神戸から大阪まで大きな稲穂を担いで電車に乗られたそうです。(ありがとうございます)
雑誌広告のジャンルに合わせてコピーを変化
2種類のコピーがすばらしいです。
サライなどの正統派雑誌では山田錦の特性をしっかり語り黒背景を使用。
クロワッサンなどのカジュアルな雑誌では味わいの話を白背景で使用します。
それぞれのターゲットに合わせて上手く表現していただきました。
店頭や新聞広告などの使用は特性を語る黒背景で展開いたしました。
白背景は雑誌でしか見れないためレア原稿になります。
はじめまして、日本酒の広告(^_^)
どんな事でも実体験は大切ですね。
そこから、ちがう発見が見つかる事があります。
それは人の意見でもいいのです。
今回はフルーティな味わいがポイントでした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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